OSAKA-TOM’s diary

古墳散策

松尾山古墳群

松尾山古墳群は阪急嵐山駅付近から西芳寺方面に至る「京都一周トレイル西山コース」(以下「トレイル」と略記)に沿って散在する古墳群。2024年4月1日(月)訪問。

登山ルート : 京都一周トレイル 西山コース-ヤマレコ

トレイル進入口(嵐山側)

トレイルは約3.3㎞。普通に歩くだけなら1.5時間位らしい。トレイルには随所にルート標識(以下「西山〇〇」と表記)が設置されている。進入口は「西山26」。

進入口南望            南西望              「西山26」標識

*「〇望」=撮影方向は厳密な方角でなく「〇方面」程度の感覚で理解下さい。また勘違いの可能性も・・。

*画像は、(スマホでも)PC版ならクリック(タップ)すると拡大されます。スマホ版ならピンチ拡大下さい。

進入口から道なりに。       西山「27」標識

最初は少しキツイが、道は結構広く整備されている。分岐っぽい所があっても、進入不可表示があり、まず道に迷うことはない。

「西山28」            「西山30」

 

以下、トレイルに沿って、巡った順に掲載します。

なお、各古墳の位置は「京都市遺跡地図提供システム 」(以下「京都市遺跡地図」と略記)に掲載されています。

京都市遺跡地図提供システム

 

松尾山A号墳

「西山30」標識から少し先(南)。

「京都市遺跡地図 」を編集・加工。〇内数字=ルート標識。赤矢印が巡回ルート。等高線は2m刻み。

シダで覆われておりトレイルからは殆ど見えないが、左手(東)に10~15m入った所に大きな石材がある。

「西山30」見返り(北望)               石材南望

石材は横幅1.8m・高さ0.9m程。

東望                        北望

石材下は埋まっている。この石材の南側にもう一つ小さめの石材もある。

 

松尾山E号墳

E1~8号墳の8基が所在する。

*「京都市遺跡地図 」を編集・加工。等高線は2m刻み。〇内数字=ルート標識。「京都市遺跡地図 」で「E号墳」は「E支群」の意味で、各古墳には号数が付番されている。

*赤矢印が巡回ルート。青点線はトレイル(あくまでアウトラインで、実際はもっとグネグネしています)

 

「西山32」標識地点にある分岐中央の道を登ると道沿いにE8号墳以下が並ぶ。

南望=右は松尾山頂方面。左はD号墳方面(トレイル本線)。

「西山32」から南西方向に上がっていく。上がり切る手前、左右の樹木が粗くなる辺り。右(西)側が上りの緩斜面、左(東)側が下りの急斜面で、桂川沿いの街並みが望める。各古墳位置はハッキリした目印が全く無く、分かりにくい。

右(西)側上りの緩斜面                左(東)側下りの急斜面=桂川沿いの街並み

トレイルに沿ってE8号墳から掲載しますが、実際はE6号墳が先に見つかり、そこを起点にウロウロしていると、4号墳?に出くわした。6号墳に戻ってウロウロ探すと7号墳が見つかったが、8号墳はよく分からなかった。5号墳は降りれそうになく断念。次の「西山37」→「西山36」付近の4号墳を再確認し、その北先の道沿いの3号墳はよく分からなかったが、さらに北先の2号墳、山頂付近の1号墳は分かり易いです。

 

E8号墳 道から4~5m程上にあるはずだが、倒木に隠れているのか・・・?散々探したが見つけられなかった。

                          

E6号墳 道を上り切った辺り。

南西望(黄〇辺りの樹木の中)             同地点から北東望見返り

北西望 黄〇が開口部。  ピンク〇が倒木の根。  赤〇が皮の剥げた立木

*季節や経過年数により周辺の様子や目印が変わることが多いので注意下さい。

開口部は幅60㎝・高さ30㎝程。

開口部                       大きさ比較

奥行き1m程の小石室。

かなり以前のブログの写真(E4号墳とあるが・・・)では石室中央の石材はまだ落下していない。

(奥から見て)右側壁         天井部              左側壁

 

E7号墳 E6号墳の15m程北西上。倒木の枝で覆われ分かりにくいが、天井石が滅失し玄室の奥壁付近が露出。

(奥から見て)右側壁         奥壁               左側壁

やや南東下に、本来の開口部がある。内部は完全に埋没している。

 

E4号墳 E6号墳からすこし下ると「西山37」標識。ここを鋭角に曲がり、少し上ると「西山36」標識がある。

「西山37」                    「西山37」から「西山36」方面

「西山36」標識から南東側のシダの中へ数m程入ると、シダの生えていない辺りに30㎝~40㎝の石材がある。

「西山36」から南東望                北西望

北西望                       大きさ比較

内部は殆ど埋没している。

 

E3号墳 「西山36」標識から左に曲がり、山頂へ向かう道の右(東)側辺りのはずだが、シダが深くよく分からない。

北西望(2号墳方面)                  南東(「西山36」方面)見返り

 

E2号墳 上記E3号墳辺りからに少し北西先、道が右に曲がる左(西)脇に石材がある。

北西望(赤〇がE2号墳)

(奥からみて)右側壁         奥壁               左側壁

 

E1号墳 松尾山頂上=「西山35」の南東手前。

「西山35」                     南東望

緩やかな高まり                   小さな石材が散在

 

松尾山D号墳

D1~5号墳の5基が所在する。

*「京都市遺跡地図 」を編集・加工。〇内数字=ルート標識。赤矢印が巡回ルート。等高線は2m刻み。

 

「西山32」標識地点にある分岐から南東方向に坂をずっと下って行く。

「西山32」分岐南東望                左手の案内

「西山38」標識の手前の道の両サイドにある。

「西山38」(黄〇)方面南東望                      「西山38」から北西望見返り

 

D5号墳 道で墳裾が削られている。崖に石材、墳頂にも天井石が露出。

南東望(黄〇が「西山38」標識)            墳頂(倒木隙間から石組が見える気もするが・・)

D1~4号墳はD5号墳とは道を挟んだ南西向かいの斜面にある。

南東望(「西山38」方面)               D1~4号墳方面

 

D3号墳 道から南西に入って、一番手前にある。

 

D2号墳 D3号墳のすぐ南西側。大きめの天井石材がいくつか露出する。

隙間から内部が少し見えるが、埋まっている。

 

D1号墳 D2号墳の南西側。石材が散在。

D4号墳 位置的にはD2号墳の西側下だが、それらしき痕跡は分からない。

D1号墳北西望                    D4号墳方面南東望

 

松尾山F号墳

D号墳の南東斜面下に2基ある。

*「京都市遺跡地図 」を編集・加工。〇内数字=ルート標識。等高線は2m刻み。

「西山38」から南方面に道なりに3~4分下ると、平坦な道に「西山39」標識がある。

「西山38」から南望        「西山39」

「西山39」から右手(南西)に入っていくと平坦な所にそれっぽい所があったが・・?。

 

F1号墳 石材が散在するが・・・?よく分からない。

北西墓                       北望

 

F2号墳 F1号墳のすぐ隣に石材があるが・・・?

 

松尾山B号墳

B1~3号墳の3基が所在する。

*「京都市遺跡地図 」を編集・加工。〇内数字=ルート標識。赤矢印が巡回ルート。等高線は2m刻み。

 

B1号墳 「西山39」から道なりに6~7分上っていくと階段道があり、ここを上がると道沿いにB1号墳がある。

「西山39」から                   B1号墳手前の階段道

全長10m超の石室の大きな天井石が露出。これまでのA・E・D号墳とは全く規模が違う。盟主的古墳なのか?造営集団が異なるのか?

南望                        中断北望見返り

南端北望(多分こっちが本来の開口部)

内部は土砂が堆積する。

 

B1号墳と2号墳の間に「西山40」標識がある。

南望(黄〇が標識)

 

B3号墳 B1号墳と2号墳の間、トレイルの西斜面上にあるのだろうがパス。


B2号墳 B1号墳から南へ4~5分=200m強。道沿いに、1号墳同様大きな天井石が露出する。

南望

中段南望

内部は埋没

北望見返り(多分こっちが本来の開口部)

 

松尾山C号墳

B2号墳から一旦下って、また上った最高所(B2号墳から200m弱)「西山43」標識がある。その標識から東方面に急斜面を下った所にC1号墳、そして斜面を下り切った辺りから道の両サイドにC2~9号墳、C11・12号墳が所在。C10号墳は別尾根にあるようだ。

*「京都市遺跡地図 」を編集・加工。〇内数字=ルート標識。等高線は2m刻み。

*何故かC4号墳が2ヶ所ある。便宜上、南側を「C4号墳-1」、北側を「C4号墳-2」としておく。

 

「西山43」標識から東側地域は規制線を示すテープが張られてある。

テープを越えて道の有無を確認したが、行けそうにないので断念。

東望                        黄〇部分近景

以下、下記ブログの情報に準拠しています(かなり以前の内容で、号数も一部違う様です)

大和國古墳墓取調室

C1号墳 急斜面を下り切った直ぐ北側辺り。墳丘東側に天井石が1個露出する。

C2号墳 1号墳から坂を下り切り、東へ少し行った南側台地上。小型石室が露出し奥壁側が開口。

C3号墳 2号墳の東側の低墳丘。

C4号墳-1 3号墳の東隣。

C4号墳-1から道を挟んだ北側の平坦面に4号墳-2、5・6・7号墳がある。

C4号墳-2 下記5号墳の西隣。墳頂に横穴式石室が露出。

C5号墳 保存状態の良い石室奥壁側が開口。羨道部は埋没。

C6号墳 墳丘上に天井石露出。

C7号墳 C5号墳の南側、石室入口部の天井石が露出、内部埋没。

C8号墳 C7号墳のすぐ東斜面下、シダ類に覆われて不詳。

C9号墳 C8号墳の更に斜面下、石室天井石が露出。

C10号墳 4~7号墳のある平坦地の北西尾根の高所にあるようだ。

C11号墳 C4号から南に延びる尾根先端にあるが、石材が1個露出するだけ。

C12号墳 C11号墳の少し東にがあるが、シダ類で覆われ不詳。

 

松尾山G号墳

「西山43」標識から180~190m、稜線南端辺りにG1号墳、トレイルを南東に下った辺りにG2~4号墳。

*「京都市遺跡地図 」を編集・加工。赤矢印が巡回ルート。等高線は2m刻み。

G1号墳 稜線南端の道沿いにあるはずで、僅かに高まりがあったが、よく分からない。

稜線最高所(G1号墳)からを下った東側、シダに覆われたG2~4号墳が並ぶらしいが、シダの繁茂がひどく、それらしい所は見つからなかった。後は下るのみ。

「西山44」                             「西山45」

「西山46」            「西山47」

「西山48」           「西山49」を過ぎると竹林が続く。

 

西芳寺川古墳群ー西芳寺川D号墳(神ヶ谷古墳)

西山トレイル終点手前にある。ここは松尾山古墳群ではないが、ルートの関係で、ここで掲載します。

*「京都市遺跡地図 」を編集・加工。〇内数字=ルート標識。赤矢印が巡回ルート。等高線は2m刻み。

 

竹林の中を下って行くと階段があり、ここを降りてすぐの所にある。

                     上の小さな矢印部分が階段

柵があるが、この日は施錠されていなかった。(筍畑っぽいので普段は施錠されているかも?)

右側壁              天井部               左側壁

「西山51」がトレイル終点。ここの車止めから向こう側が西芳寺川古墳群になる。

当然、トレイル終点から逆のコースを辿っても松尾山古墳群散策はできるが、G号墳に至るトレイルの登り道は結構狭く険しく、嵐山から進入する方をお薦めします。

西芳寺川古墳群 - OSAKA-TOM’s diary

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西芳寺

西芳寺古墳群

43基の(古墳時代後期の)小円墳が、西芳寺裏山(北側)から西芳寺境内にまで分布する。径10m前後が大半で、横穴式石室を有する。指東しとうの枯山水(特に上段の庭)は、石室石材を利用しているらしい。

なお、西芳寺拝観は完全予約制。拝観時間は「10時~」または「13時~」だが、指定はできない。冥加料=3000円( ネット予約の場合は4000円)。拝観所要目安は1時間半。

ということで、パス。

 

西芳寺|苔寺 Saihoji | Kokedera