2022年6月9日(木)訪問。岡峯古墳は奈良県吉野郡下市しもいち町大字阿知賀あちが、吉野川南沿いの標高160mの河岸段丘に立地。近鉄吉野線、下市口駅の約600m南にある「千石橋南詰」交差点から吉野川沿いを、東に950m。
吉野川北望 登り口
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6世紀後半の径約15m(~18m)・高4.5mの円墳。環頭・素環頭柄黒漆太刀・金環・ガラス玉・須恵器等が出土。素環頭そかんとう柄黒漆太刀の環頭部の象嵌ぞうがん唐草文様は、法隆寺の平瓦に刻まれたものより半世紀さかのぼり、日本最古の唐草文様と考えられているとのこと。
墳丘北西望 北東望 南東望 案内
石室は施錠されているが、下市町教育委員会に電話で見学を申し込むと、古墳まで開錠に来ていただける。
横穴式石室が西北西に開口する。緑泥片岩の割石を積み上げた羨道・前道・玄室からなり、玄室に石棚を有する岩橋いわせ(千塚)型石室。岩橋型は、奈良県下では三里古墳*(生駒郡平群町三里)と槇ケ峯古墳(吉野郡大淀町新野にの)の3基程しかない。羨道は長さ2.15m・幅1.08m・高さ1.75m。前道は長さ0.8m・幅0.7m・高さ約1.3m。玄室は長さ約3.05m・幅約2m・高さ約2.2m。
防護フェンス 開口部 羨道 前道 玄室
*三里みさと古墳は下記を参照下さい。
玄室床面は前道敷石より25㎝程掘り下げられており、拳大の礫が残っている。奥壁手前には、緑泥片岩の板石4枚で囲われた組合せ式石棺(石障っぽい?)が遺存する。四面の板石は、床面を少し掘り込み設置されている。横幅約1.7m・縦幅約0.6m・高さ0.55m。底には板石はなく、玄室床面同様拳大の礫が敷かれていた。玄室(奥から見て)左側壁には2枚の板石(1枚が割れた?)が、立て掛けられており石棺の蓋石と思われる(前道の閉塞石かも?)。
玄玄室下半 玄室床面 石棺 蓋石
石棚は1枚の板石で、厚さ25㎝・奥行き85cm、床面から1.4mの位置に架かる。側壁は持ち送り、天井は4枚の巨石で覆われている。
玄室上半 石棚 石棚上の奥壁と天井部 天井部(奥壁側)
前道越し開口部 前道左側壁 右側壁 前道上部