黒駒古墳
2020年11月10日(火)。県道30号線沿いの奈良県御所市の古墳等に立ち寄ってから、奈良県五條市の古墳を巡り、最後に御所市の古墳に立ち寄る。
*御所市①塚廻り古墳跡→②ビワノ木古墳跡→③鬼ケ城古墳跡→④伏見八幡神社古墳
五條市⑤つじの山古墳→⑥五條猫塚古墳→⑦近内鑵子塚古墳→⑧丸山古墳→⑨今井1号墳→⑩こうもり塚古墳→⑪南阿田大塚山古墳→⑫黒駒古墳→⑬西山古墳→⑭塚山古墳→御所市内⑮篭田塚古墳 *⑬西山古墳は「五條猫塚古墳」の記事に掲載
黒駒古墳
五條市黒駒町。黒駒で「くろま」と読む。黒駒町会館すぐ前の階段を登ればすぐ。整備されており、開口部には鉄柵はあるものの、施錠はされていなかった。以前のある古墳関連のブログでは博物館に連絡して開錠してもらったとあったが・・・。
黒駒会館前 会館見返り 落杣神社へ 会館見返り
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6世紀末~7世紀初頭の円墳。径約10m・高さ約3m。緑泥片岩製(結晶片岩の一種)の 両袖式横穴式石室。現全長.6.1m、玄室長約3m・幅1.7m・高さ2m。羨道部長3.1m・幅1.2m・高さ1.1m。陶棺片が出土。須恵器、鉄鏃、鉄刀片、須恵質板状製品、須恵質脚形製品が出土。玄門部に高さ1m・厚さ0.3mの板石を柱状に立て両袖とし、羨道側壁よりも内側に突出させている。このような柱列は、紀伊でよく見られる玄室の前道的性格の施設かと思わるらしい。陶棺は現地説明会当時は追葬時の棺とされていたが、現在は築造時のものと訂正されている。また、陶棺の一部と思われる須恵質の板状片に、馬の絵とも思われる線刻画が描かれていることが発見され、現在五條文化博物館で展示されている。
解説板 開口部 全景
開口部 羨道 玄門部 玄室
玄室全景 カバンは30㎝四方 天井部 西側壁 東側壁
楣石上部 左袖板石 右袖板石 羨道天井 羨道
*705号線北西端=261号線の北山大橋東詰交差点から600m南西に五條文化博物館があり、黒駒古墳の陶棺片も展示されていました。
線刻画のある陶棺片 左=陶棺脚
塚山古墳
国道24号線から京奈和道西側の出屋敷町へ。上図の緑矢印部分が極端に狭い。なので、古墳南側のオレンジ矢印部分から回る方がいいかも。
五條市出屋敷町。5世紀中葉~後半の方墳。一辺24m・高さ5m。葺石は一部あり。埴輪(円筒、家形・盾形・短甲等の形象埴輪)も検出している。人骨が完全な形で出土したことで、古くから知られた古墳。埋葬施設は緑泥片岩製の箱式石棺で、石棺底に板石はなく、約10cmほど砂利を敷いていたらしい。北側の小口部には、板石で囲んだ、半円状の小さな副室が付設されていたとのこと。南側の小口部には、長方形の板石が枕状に置かれていたようだ。被葬者は壮年男子で、人骨はほぼ完全な状態で残っていた。別の箱式石棺が掘り出された事も伝えられており、同一墳丘内に2基の箱式石棺が直葬されていたらしい。鉄製武器、短甲、冑、刀剣、工具類が出土し、珍しい北側小口部の副室からも、副葬品が出土。近内古墳群の中心部から離れた丘陵の谷間に、単独で築かれている。発掘調査は1956年とのこと。
遠景東望 北東望
東面見下ろし 南面見下ろし 西面見下ろし 北面見下ろし
北東角 南東角 南西角 北西角
五條文化博物館に、塚山古墳の出土品も展示されていました。
右側=釣針 下段=鹿角装鉄剣
篭田塚古墳
御所市林字常土井。車で巡る都合で最後に訪問。古墳時代後期、径22mの円墳。
帰路の便を考えて、五百家交差点を左折して広い南側の道からアクセス。田圃の畦道を通り、弁天社前から篭田塚古墳へ。
墳丘は全く整備されておらず、全体が木々や笹薮で覆われている。南に生えている木の下に石材があり、開口部かもしれない?が、土砂で埋まっている。2013年のあるブログ記事には、「南側に両袖式横穴式石室が開口。かなり大きな石材が用いられ、特に天井石が大きい。玄室長約3m・幅1.5m~2m・高さ2m程、羨道部は1m程」とあったが・・・・・。
全景西望 2013年 南側石材 2013年 石材内部 2013年
*弁天古墳群
御所市林字二子。奈良県遺跡地図(上の地図内右に掲載)では、
・弁天塚古墳 円墳・径15m・横穴式石室 16D-0014
・弁天西古墳 円墳・径20m・横穴式石室 16D-0015
・弁天南古墳(墓穴古墳) 円墳・径10m・横穴式石室 16D-0016
弁天社裏辺りにあるのだろうが、墳丘はハッキリ確認できなかった。なお、社の南側に小さな墓地があり、何もないと思ってパスしたが、その上に石室があったかも・・?。
弁天社周辺 2013年のブログ 篭田塚古墳付近から奈良盆地
常々思いますが、過去の先達の古墳関連のブログを参考にしないと、マニアックな古墳散策はできないですよね。ただ、ブログの作成時期・訪問季節によって、墳丘周辺の風景等が、「えっ?」というくらい変貌していることも多いですね。これは致し方ないことで、私のブログを参考にされる場合も、くれぐれもご了解ください。