椿山古墳
和田古墳群
滋賀県栗東市 JR草津線手原駅周辺 2019.12.19(木)
【散策経路】
椿山古墳→和田古墳群→地山古墳→下戸山古墳→小槻大社古墳→竜王古墳→日向山古墳
【散策の様子】
本年最後の古墳散策。今日は石室見学できる古墳は2基のみなので、ウォーキングに近い。9時過ぎJR草津線の手原駅着。駅前から栗東市役所横を過ぎ、900mで椿山古墳へ。
手原駅 栗東市役所 椿山古墳へ左折 椿山古墳遠景
椿山古墳
栗東市安養寺。巻末図① 安養寺古墳群の一つ。5C中頃の帆立貝形前方後円墳。全長99m、後円部径70m、前方部幅40mとのこと。上写真の左折ポイントと反対の南東側に進入路がある。民家の庭先のような感じで、入っていいのか少し迷うが、道なりに進むと、墳丘への登り口がある。前方部は削平され、後円部も相当削られており、円墳の風情。墳頂は結構高く北側を一望できる。葺石は確認されていないが、周濠(幅18m)があり、周濠含めると全長135mらしい。前方部削平の時、前方部中央で粘土槨が発見され、三角板革綴短甲・鉄剣・鉄刀・鉄斧・鉄鏃などが出土。二段築成の後円部は未発掘。
大塚越古墳(安養寺古墳群) 消滅
栗東市安養寺。巻末図② 5C前半の全長75mの前方後円墳。埋葬施設は後円部の粘土槨。鏡2・琴柱形石製品・短甲・多数の玉類(管玉勾玉棗玉小玉)・鉄刀・巴形銅器が出土。
狐塚古墳群(安養寺古墳群) 消滅
巻末図③。1991年調査後に墳丘は削平済
新開しんがい古墳群(安養寺古墳群) 消滅
巻末図④。1960年名神高速道路建設により調査後消滅。武具・馬具出土
和田古墳群
名神高速下を抜けて南下。栗東市下戸山。巻末図⑤ 安養寺古墳群を構成する6C中頃~7C初めの古墳群。現在は、直径10m前後の円墳9基が古墳公園として保存されている。竪穴系横口式石室が多く(8号墳以外)、副葬された武器・馬具・装身具に豪華なものが含まれていたらしい。また土器を用いた墓前祭祀を行った跡があるとのこと。1号墳は群中最高所にある一番大きい円墳(径17m、高さ3.3m)。石室は破壊され一つの石しか残っていなかったが、玄室床には川原石が敷かれていたらしい。玄室長3.6m、幅2.1m。純金製耳環・鉄地金辻金具・イモ貝装鉄製雲珠などが出土し、墳裾に供献土器と思われる須恵器・土師器・土玉があったらしい。
イモ貝装鉄製雲珠は、馬の背中の飾りを兼ねた馬具。周囲に張り出した脚に紐や杏葉を結びつける。周りは鉄で作られているが中央部はイモ貝という巻貝をはめ込んである。
隣接する栗東市出土文化財センターに出土品等があるのだろうが、見学には予約が必要。
栗東市出土文化財センター 和田古墳公園 | 滋賀県観光情報[公式観光サイト]滋賀・びわ湖のすべてがわかる!
石室は5号墳だけが保存されている。「案内には10分で消灯する」とあったが、そもそも点灯しなかった。しかし中は結構明るい。
地山古墳
栗東市岡。巻末図⑥ 和田古墳群前の灰塚橋交差点から、少し南下し、一つ目の信号を西へ。名神高速の下を抜け、しばらく行くと左折して南へ。広い田んぼの中に、こんもりした古墳が見える。
1990年の墳裾部発掘調査で5C前半の帆立貝形前方後円墳古墳と判明したらしいが、残っているのは後円部のみで、ここも円墳の風情。
下戸山古墳
栗東市下戸山しもとやま。巻末図⑦ 4C末~5Cの直径50m、高さ7.5mの円墳。下戸山墓地の中にある。墓地の前に碑と小さな案内がある。
北谷11号墳 消滅
巻末図⑧ 1960年名神高速道路建設の土取りで消滅
小槻大社古墳
栗東市下戸山。巻末図⑨ 下戸山古墳前を東へ進むと小槻(おつぎ/おつき)大社一の鳥居。さらに進むと二の鳥居があり、本殿への参道左側に竜王社がある。小槻大社を中心に17基の古墳が点在していたらしいが、その雰囲気はない。
佐世川古墳(安養寺古墳群)
栗東市小野。巻末図⑩ 栗東ICのループ内で立入禁止。径47m・高さ5.8mの2段築成の円墳。幅8mの周濠がめぐる。埴輪あり。主体部は割竹形木棺と推定される粘土槨(長さ9.5m・幅1~1.34m)。棺内から鉄剣・鉄刀・やりがんな等、棺外から鉄刀等が出土。
竜王古墳
巻末図⑪ 小槻大社本殿前を抜け、右へ左へジグザグに117号線に出て、117号線を東に。1.2km先の上砥山交差点を北東に進む。800m程で55号線の三差路に出る。この三差路すぐ左手にある。上砥古墳群の最高所で、径16m高さ3.5mの円墳とのこと。登り口から右へ回り込み、墳丘を上がると、半壊した石室がある。天井石・側壁の一部はなく、花崗岩製の刳抜式石棺が露出している。玄室規模は全長3m・幅0.95m、石棺全長は2.05m、幅0.68m、内法1.7m、幅52~58cm、深さ32~36cmらしい。
日向山古墳
栗東市六地蔵。巻末図⑫ 竜王古墳から55号線を東方面に300m進み、北の山交差点を左折。12号線を1.2km北方面に進めば、墓地が右手に見える。
日向山の西麓、標高124mの地点に立地。径18m・高さ4.3mの円墳とのこと。主体部は片袖式の横穴式石室、玄室は全長4.5m幅2.3m高さ2.7m、羨道は全長5.9m幅1.4m高さ1.5m。栗東では後期古墳の石室として最大らしいが、鉄柵で施錠されており、12月というのに笹が開口部に茂り、中はほとんど見えない。
帰りは、少し戻り、116号線を500m弱行ったところで、旧東海道を西へ。1.8kmで手原駅前の通り沿いの稲荷神社に戻る。旧東海道とあって所々に碑があり、ブラブラ帰るにはもってこい。
全行程12~13kmだが、アップダウンもあまりなく、古墳を見ながら休み休み歩くので、疲労感はあまりありませんでした。真夏は少しきついでしょうが、気候の良い時に散策するのには、いいと思います。ルートは下図参照。
YAHOO!地図を編集加工しています。
*出庭亀塚でばかめづか古墳
今回は巡っていないが、JR栗東駅の西北西2km辺り=栗東市出庭でばの田圃の中にある。前方後円墳と推定され全長44m、後円部径36m。M44年に発掘され、粘土槨から仿製の獣文帯三神三獣鏡1面等が出土したらしい。